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もう5回目ともなると [音楽活動 -もろもろ-]

先週9日は、千葉みなとclipperにて「キタムラナオコ 大貫妙子をうたう Vol.5」でした。
聞きにきてくださったみなさま、本当にありがとうございました!

この企画を始めた時点では、なんとなく「1年くらいかけていろいろと」という感じでいたような。
それが、前回4回目の準備の時点で「あれ?これまだ続きそうだよね」と。
2人ともがそれを感じてて。「少なくとも、5回目はあるね」って。
今まで4回は、まったく曲を被らせることなく進めてきたのね。
それだけ、やってみたい曲も多かったし。
ただ、5回目ともなるとそうした曲の中に「知られてる曲」が全然入ってこないよね、もう。
そして、自分たちの中でもどこかで「曲を探しに行ってる」ような感覚もちょっとあったりして。
前から好きだった曲を、「この曲をやってみよう」とやってみるところを超えて、
「こんな曲があったんだ!ちょっと、やってみようか」みたいな。
今までスルーしてた曲と出会って、それを自分たちの中で反芻させるような。
でもって、そんな曲ばかりだとどんどんマニアックに掘ることになっちゃうので、
ここら辺で「前にやった、わかりやすい曲も再演して行こう」ってことにして。

そんなこんなで、今回お届けしたのはこんな曲たちで。

<キタムラナオコ 大貫妙子をうたう Vol.5>
1. 約束(Grey Skies/1976)
2. 若き日の望楼(ROMANTIQUE/1980)
3. みずうみ(SIGNIFIE/1983)
4. メトロポリタン美術館 (single B-side/1984)
5. ベジタブル(copine./1985)

6. 地下鉄のザジ(Comin’ Soon/1986)
7. MOMO(Comin’ Soon/1986)
8. You’re My Special (鈴木さえ子 スタジオロマンチスト/1987)
9. Mon Doux Soleil(Lucy/1997)
10. Hiver(One Fine Day/2005)
11. 朝のパレット(Single/2022)
12(en). からっぽの椅子(SUNSHOWER/1977)

うた:キタムラナオコ
ピアノ:中田征毅

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1曲目は、今までもあまり選んでない1stアルバムから『約束』
アレンジとしては、1993年の「TATSURO sings SUGAR BABE」にゲストで出た時のライブ版で。
もともとはSUGAR BABEとしてのレパートリーだった曲ですね。
『若き日の望楼』は、トリビュートライブ以前にも取り上げてた曲。
思えばまだトリビュート企画の中では登場してなかったね、ということで。
『みずうみ』は、クラシック曲=グリーグの組曲「ペール‥ギュント」の中の、
「ソルヴェイグの歌」に日本語誌を乗せて発表されたもの。
曲も詞も大貫さんじゃない曲をトリビュート企画でやるのは2例目かな?
当時「みんなのうた」で使われたのをぼくは聞いた記憶があって。
「きれいな歌だけど、くらいなぁ」なんて思った記憶。
『メトロポリタン美術館』は、前述の通りVol.2の時に一度取り上げた曲
ここは"みんなのうた"つながりだったね。
1部の最後は『ベジタブル』
わりとスタンダード感があるので「まだ取り上げてなかった!」という思いの強かったな。

2部のスタートは『地下鉄のザジ』から。
同名の映画を元ネタに書かれた歌で、そもそもは原田知世への提供曲。
知世ちゃん版は当時、車のCMに使われたよね。
ちなみにこの日のステージには、ナオさんが「昔レンタル落ちで買った『地下鉄のザジ』VHS」を、
オブジェのようにディスプレイ。となりには、今回図書館で借りたというDVDも。
続く『MOMO』も、童話「モモ」からの引用と思われる1曲。
お客様に、この話に詳しい方がいらっしゃって、話のあらすじを説明するのにチェックを入れていただいた。
そんな曲の後は、歌詞を提供した『You're My Special』
鈴木さえ子さんのアルバム曲なんだけど、音遣いが非常に複雑でおもしろい曲。
大貫さんの歌詞も、シチュエーションやワードは大貫さんのものなんだけど、
言葉の仕立て方や言い回しが、「自身の曲なら絶対使わないだろう」という仕立てで興味深い。
もちろん、これはぼくの選曲で。「ぜひこれをやろう!」と。
かくいうぼくは、この曲を知ったのはEPOさんのカバーで。

ライブも終盤に差し掛かって登場したのは、
坂本さんプロデュースの「LUCY」から『Mon Deux Soleil』
大貫さんではちょっとめずらしい、ラテンの激し目なリズムの曲。
弾いてて楽しいんだけど、ちょっと難しい。とても好きな曲。
そして、春も見えてきてはいるけど、こんな時期にフランス語で「冬」を意味する『Hiver』
原曲はオルガンとアコーディオンで冬っぽさを演出してるんだけど、
これをピアノだけで表現するのもなかなか難しかった。弾きたい曲ではあったけど。
ちなみにここの『Mon Deux Soleil』『Hiver』の2曲は、前回候補に上がっていたものの、
「これらは次に持ちこそう」と待機していた曲たち。
どちらもいいアクセントになった気がするな。

本編最後は、現時点での最新曲、かな?
2022年に配信で発表された新曲『朝のパレット』
以降のライブではほぼ披露されてるので聴く機会の多い曲なのだけど、
シンプルでいて、コードはわりとトリック混じりの音がしてて。
今回、ちょっとその辺、音取りが甘かったなというのが心残り。
ピアノ1本で再現するには結構むずかしい和音なんだよね。でも、次はもう少し再現させたいな。
(決して、今回の音がダメだった、というのではないんだけど)。

さて、ありがたくもアンコールをいただけて。
アンコールには、リクエストをもらってた『からっぽの椅子』という歌を。
この曲は2ndアルバムに収録されてる曲でね。
この頃の大貫さんのボーカルって、その後のスタイルと全然違ってて。
その歌い方に合わせるべきか、そこに引っ張られすぎないように歌うか、
というところで「歌い手」ナオさんがいちばんもがいてた1曲。
直前のリハまで試行錯誤してて、当日のサウンドチェックでようやくなにかを掴めたようで。
よし、これで本番、と向かったわけなんだけど、
本番ではやっぱりなにかいろいろと意識しちゃったようで。
終了直後はものすごくモヤっとしてたようで。
(後日、映像で確認したら意外と大丈夫だった、と安心してたけど)。
なんにしても、リクエストをいただかなければ、2人ともノーマークだったな、この曲は。

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今回も、見にきてくださった方から「ラジオみたいなライブ」とおことばいただいて。
曲に関する情報を一緒に知っていただきたいんだよね。それで解説がたくさんになっちゃう。
そして、ライブ終盤に向けて曲が難しくなっていく構成だったなぁ、と。
個人的な感覚では、『Hiver』なんかは今まででいちばん難しかった『幻惑』に匹敵するな、と。
機会があったらまたやって、もう少しこなして弾きたい。もう、だんだん夏に向かうけど。

次回以降はきっと、今までのように「全部新しいレパートリーにチャレンジ!」というスタイルではなく、
新しくチャレンジする曲/今までやってきた曲、の比率が半々くらいになるんじゃないかな?
となんとなく話している。なんにしろ、これ以上今まで通りに進むと、
さすがに聴く人を置いてきぼりにしちゃいそうだからね。
(ただでさえ、その傾向の強いライブになりがちのに)。
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次回、ナオさんとのライブはちょっと先、
7/13(土)を予定してます。
場所は新検見川PICKUP MOON。
今のところ「キタムラナオコ 大貫妙子をうたう」シリーズでお届け予定。
京葉線より、総武線の方が少しは来やすさに抵抗ないかな?
ぜひ、いらしてみてくださいませ。
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