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20年越しの発売 ーKAITA「KIND OF LOVE」ー [勝手にディスクレビュー]

なんと感慨深い。
KAITAのニューアルバムが発売されたとは、なんとも。
ぼくの人生において最重要バンドであるKAITA。
(どう重要なのかはこちらから。)

今回発売されたアルバム「KIND OF LOVE」は、実は1999年のもの。
この時、業界内外に配布する形で作られた「KAITA DEMO ’99」という音源が、
20年を経て正式なアルバムとして今回発売されたもの。
なぜ今発売になったのか、それはよくわからないけど。
(そのうち聞いてみよう。)

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KAITA 「KIND OF LOVE」
2019年4月24日発売
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1. 味のない果実
2. 明日になれば…
3. THAT I'LL BE LOVIN' YOU ALWAYS
4. LUCY
5. はなればなれの太陽
6. 寝言
7. BIRD

KAITA are
能勢海太 : Vocal
目木とーる : Guitar
多東康孝 : Keyboard
石田太一 : Bass
山田智之 : Percussion
高林勝美 : Drums

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この前年1998年に、ライブのセットリスト9曲中4曲も未発表の新曲が並んだ時があって。
それがここに収録された『味のない果実』『明日になれば…』『はなればなれの太陽』、そしてその後シングルとして発売された『さびしい夜の眠り方』

そしてこの年の年末のライブにおいて、すでにファンサイトでメンバーと交流を持ってたファン(おれ含む)に、メンバーから「打ち上げ来る?」と誘いがあり、その席でメンバーの目木さんが「デモ出来たら送るよ」と約束。
その後、本当にMDが送られてきてね。「周りの人にも聞かせてね」ということで。
この7曲入りのMD、ぼくにとっては完全に「KAITAのニューアルバム」だった。
どれだけ聞いたか。いや、今でもよく聞く。

イントロなしで、訥々と語るように始まる『味のない果実』は、トーンも抑えめの重めなロック。
1曲通してどんよりと虚無感の中に漂うような、でもそれだけでもないっていう歌。

キラーチューンである『明日になれば…』は初披露以来、この時期のライブには欠かせない定番曲になった。
実はこの時期、この曲にタイアップがつくかもしれないということで、そうなったらシングル発売をする準備があったそうだ。残念ながら話が流れてしまったらしい。
これ、シングルで発売されてたらどうなってたんだろうなぁ。

『THAT I'LL BE LOVIN' YOU ALWAYS』は、この7曲中でもっともわかりやすいKAITA王道ポップな1曲。「関係代名詞を使ってみました」というタイトルは、ちょっと難しいことをしてみたかったらしい。

『LUCY』もとびきりポップな1曲。モータウン的、とも言えるかな。カラッとしてるけど別れの歌。実はこの時期に離れることになった事務所の社長へのお別れメッセージ、というのは裏話。

『はなればなれの太陽』は出だしからハイトーンのシャウトが炸裂する重めのロック。後半海太さんひたすらシャウト。

『寝言』は静かに語りのように進んでいく、言ってしまえばプロポーズソング。
この曲だけは今までライブでは演奏されてないんじゃないかな。(やったかな?)

『BIRD』も、98年末のライブで初登場して以来、必ず歌われてたスケールの大きなバラード曲。
そういえばこの頃、ライブで「完膚なきまでにフラレた」と言ってたのだけど、そんなあたりが影響した歌なのかな、という失恋ソング。しかし名曲。

7曲通して、KAITAの特徴の1つでもあったファンク/ソウルの部分は影を潜めてるかな。
でも、その分全体的にもまとまってて、「デモ」としてまとめてるけどしっかりアルバムにもなってる。

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実はこの収録曲のうち、『LUCY』『BIRD』の2曲は後になって、TATOOさんプロデュースで真琴つばささんの歌としてリリースされてる。
(『LUCY』は少しだけ歌詞を変更して『SEE YOU AGAIN』というタイトルになってる。)
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あらためて聞いてみても、海太さんのボーカルの突き抜ける気持ち良さがハンパない。
そして詞曲はもちろん、演奏もアレンジもほんとにしっかりしてる(当然だ)。
つくづく、このバンドが稼働してないことがもったいなくてしょうがない。

KAITAはこの後「KAITA」としての活動を止めて、ファンクに的を絞った「LOVE BELL BACK LINE」というバンドにシフトチェンジ。
コンピ盤に参加したり、TV「ソングライトSHOW」なんかに出たりもしてたけど2001年3月にはLBBLも休止。
その後はメンバーそれぞれ個別に活動中。
いちばん目にするのはキーボードのTATOOさんかな?プロデューサー/アレンジャーとして各所で大活躍。
特にここ数年は石井竜也さんのソロワークには欠かせない存在になってる。
ギターの目木さんとパーカッションの山田さんは、TATOOさんのプロデュースワークにもよく駆り出されてるほか、それぞれがライブの活動で大忙し。
特に山田さんは「ほぼ日」関連にたびたび「バリスタパーカッション」として登場して、コーヒー好きが高じて「ヤマダのコーヒー」って豆屋さんも始めちゃった。
ベースの太一さんはKAITA活動後期から家庭の事情で福岡へ移住、地元アイドルのプロデュースなんかもしてる様子。
ドラムの高林さんも、一時期ほどではないながらもドラム叩かれてるとのこと。

そしてすばらしい楽曲をこれだけ書いて、こんなに人を唸らせる声を持つボーカルの海太さんは現在、クロサワ楽器総本店のギター担当責任者。
こんなところに出てきて喋ったりもしてるけど、そのしゃべり方が「ああ、海太さんだなぁ」とうれしくなってしまう。

アルバム発売記念とかでライブやってくれないかなぁ。ライブ見たいなぁ、まじで。
ついでに言うと、LBBLの頃の楽曲、今の形でいいから録音して出してくれないかなぁ。
『FLASH』とか『Another World』とか『黒い爪』とか。

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ところで今回のこのアルバム、こちらの販売元サイトから購入するとなんと!
海太さんによる新曲CD-Rが特典でついてくるとのこと!!!

CDが届いた今日それを知って、慌ててポチッとしましたおれ。
だって聞きたいもん、新曲。
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ついでに。
当時入手したKAITAとっておき音源あれこれ。
「97春シングル候補曲」ってやつはきれいな音で欲しいんだけどねー。
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