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さかのうえで [芝居]

そろそろ、「さかのうえの」を振り返ってみましょうかね。

その前に、見に来てくださったみなさま。
アンケートとともに書いていただいた「ひとこと詩」が完成したようです。
こちらからお楽しみくださいませ。

今回の話は、わかりやすく言うなら「おとなの恋愛話」とも取れるし、もっと大きく言えば「輪廻転生」の中での「縁」の話でもあるし、遺伝子的記憶の話でもあるし。そんな話。
当然そこには男の人と女の人が出てくるわけで。ぼくは、そんな2人に茶々入れたりするような、ある街の不動産屋、と言う役。ただそれも、ちょっと不思議な立ち位置にいる、妙な役。調子がいい感じでありながら、時に現実をはみ出すような視点に立っちゃったりする、というね。

実はぼくね、これ大学時代からずっとなんだけど、「普通の青年」みたいな役ってもらったことないんだよね。役者として、素材としてのぼくの需要はどうやら少々エキセントリックな人とか、現実からちょっとはみ出してるような人とか、そういうことなんだろうな。(で、たまにはそう言うことをやりたくて、自分で脚本書いた時にそういう役にしてみたり)。
まあ今回は劇中ピアノも弾いたりするわけだから、中心的人物にはならないだろう、というのはあったわけだけど。でも、やっぱり一筋縄ではいかない役になった、というね。ある意味、妙な役どころで、「何なんだこの人は!?」っていう人がきれいなピアノを弾いちゃう、というアンバランスを楽しんでもらう、というねらいは確実にとらえられたと思うけど。
いやあ、ぼくとわっきーが並んでたら、知らない人は絶対にワッキーの方がピアノを弾くと思うはずだよ。

演出上では、初めの頃はかなり「芝居」的な演じ方をしてたんだけど、徐々にそう言う部分を抜いて行かれたかな。とは言え、それでも芝居になっちゃってたかも。ぼくもわっきーも「芝居」の人なもんで、「朗読」ってものに関してどんな立ち位置でいけばいいのかわからず、最初はかなり戸惑ったね。終盤まで、かな。鈴音さんからの演出がなかなか難しかったりしてね。わかるんだけど、芝居モードが顔出してくる、というか。
男子2人がわりと自由人な上に頑固だったりするもんで、演出の鈴音さんは大変だったかもね。おそらく最初に自身の中に持ってた演出プランからは大きく変わって行ったんじゃないかと。

というか、鈴音さんの今までの公演で、ここまでストーリーがはっきりした脚本は初めてだったとか。今回はそう言うモードに入ったとかで。上演時間70分というのも初めてだったようで。いつもはもう少し短いものだったと。

稽古も終盤に入ったところで、遊び混じりに自分以外の役で脚本読んだりして、その時にお互い「そうか、そう言う読み方があるか!」と取り入れたりして。そう言う意味ではいい感じに刺激し合って作ってこられたかな。

本番は3ステージとも全然違う感じになったかな。オープンテラスなので天気による質感の違いがそのまま影響されてくる、というのもあったし。ただ、どのステージも、うぐいすの鳴き声とか猫の声とか、葉っぱのそよぐ音とか雨が叩きつける音とか、そういうものをも取り込んで「空気」を作り出すことには成功してたと思う。
ま、正直に言っちゃうと、自分の中で突き抜けられた回とそうでない回はあったわけだけど。それは
「どの回がどうだった」とまでは言わないことにします。

そうそう、1カ所かなり終盤のところで、自分のセリフで泣きそうになるところがあって、こらえながらセリフを言うのが実は大変だったんだよね。あるステージではホントに危なくて、間を取って息をのんで、姿勢取り直してなんとか言えた、ってくらい感情入っちゃってたみたいで。あの時に芝居の楽しさを思ったりしたもんです。

久しぶりの役者業は、やっぱり非常に楽しかったですね。
そのうち、普通の青年の役をやってみたいもんです。

長くなったんで、音楽に関してはまた別途書きますわ。

あ、おまけで1つ。
本番中なんでぼくが仙川からじゃなくてつつじヶ丘から行きたかったのか、終わってからだけどわかった気がする。
入間川沿いを歩きたかった、てのももちろんあるし、その方が景色が面白いというのももちろんあるんだけど。

国分寺崖線の下から行くと、森のテラスが「さかのうえ」にあるんだよね。多分それでだ。
そう思った。

「さかのうえの」無事終了 [芝居]

本日、鈴音工房公演「さかのうえの」全ステージ無事終了しました。
見に来てくださったみなさまに、心から感謝を申し上げます。

1日目は、都内では「真夏日」などと言われながらも涼しげな風のそよぐ中で。
2日目は雨音とコラボしながら。

久しぶりの芝居の現場は非常に楽しかったですね。
そして、いい空間を作れた、とそう感じております。
まあ、いろいろアレやこれやありましたが。

今回、ぼくのことを役者と音楽に使ってくれた鈴音彩子さん、そして役者として一緒に作り上げてくれた脇本貴人くんに、大きな感謝を送ります。

芝居の細かいことに関しては、またあらためて。

おまけ。
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猫と戯れるすずねさん。

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猫を手中に収めたわっきー。

自由な3人でお届けしました。

公演に関するページあれこれ [芝居]

今回の公演に関して、記事を取り上げてもらったり、主宰が出演したりあちこちに情報が出てます。
いろいろと、見てみてくださいませ。

○インターネットラジオ「コラボDEミュージカル
 2週に渡って鈴音さんがお話ししてます。

調布経済新聞
 公演情報を載せてもらってます。

A.K Labo
 公演にスイーツ出店してくださるカフェのページです。

鈴音工房
 主宰のページね。

そんな感じで。

稽古最終日 [芝居]

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そんなこんなのうちに、今日最後の稽古が終了しましたさ。
細かいところをいくつか見て、今日はがっちり通し。
稽古初期にざーっと通してみるのとは当然のことながら全然違うわけで。
さらに、いつもの稽古ですこしずつすこしずつ重ねて行って取り込んで行ったものが、すとーん、と一本の背骨になって。

3人で「いい空間」を作れそうですよ。
帰りに「たくさんの人に見てもらいたいねえ。」と話しながら歩いてたよ。

さ、後はあさって現地で仕込みのちゲネプロ。
そして週末の本番。

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まだどの回も席ございます。
が、21日(日)の11:00の回がそろそろ埋まりそうな状況です。
この時間を考えてる方は特に、早めにご連絡くださいませ。

ちなみに、当日のスイーツの準備などに影響しますので、来ていただける予定の方は事前にご連絡くださいませ。
また、予約がなかった場合は、お知り合いであっても当日料金にさせていただく決まりになってますのでご注意のほどよろしく。


ていうか、ほんとに見に来ていただきたい!
そんな作品です。よろしく。
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雨の森 [芝居]

今日は朝から、今月20,21日の芝居の現地での練習。
あいにくの雨だもんで、バスで新代田まで出ようという計画。
これが、思ったよりもバス時間かかっちゃって。
本当は余裕持って、仙川じゃなくてとなりのつつじヶ丘から、入間川を辿りつつ現地入りしようと言う計画だったんだけど、新代田に付いた時点でかなりギリギリな時間だったものであきらめる。
で、演出に「ギリギリになりそうです」とメール。
明大前で乗り換え。京王線のホームにあがろうとしたところ、上から人がたくさん降りて来て。
「お、電車が来てる!」
と階段駆け上がり電車に飛び乗る。

「この電車は準特急北野行き・・・ 次は調布に止まります」

・・・調布!?
やってもた。演出に遅れますメール。今すぐ飛び降りたい。
仙川駅が流れてく。ああ、降ろしてぇ!

と、途方に暮れつつも、次のつつじヶ丘との間でしっかり「お、入間川はこんな具合か」ということはチェック。
しかして、調布。わりと早かった。で、上りホームへ直行。
今度は余裕持って、電車を確認。次の電車は準特急。乗ったら次は明大前だぞ。
ということで、1分違いの快速に。次はつつじヶ丘。
・・・降りちゃえ!

てな具合で、入間川沿いを汗かきながら早足で闊歩。
今度はもう少しじっくり堪能しよう、と横目で見ながら。

結果、10分程度の遅刻。まあ、そのくらいですんでよかった。
現地はちょっとわかりにくいところにあるので、いらっしゃる方はハガキの地図をよく見ながらどうぞ。

会場となる森のテラスは、予想以上にこじんまりした空間だった。
あんまり声を張っちゃうとうるさいかもな。ピアノも適度の音量で行かないと。
しかし、やっぱりグランドピアノは気持ちいい。今回1つ、音をにごらせて響かせるような曲を作ったんだけど、それがきれいに響いてたよ。
雨だとウッドデッキの部分までを客席として使えないんだけど、雰囲気としては雨もまたいい感じ。
考えてみたら梅雨まっただ中だよね。本番は。

演出もいろいろと細かいところにまで入って来てます。
練習のたびにいろんな発見があって、自分の中で役が一本通ってきました。
ここから、芝居がさらにどんな変身をして行くか。楽しみだ。

ちなみに今日の夕方はサニファニでリハ。
これもまた楽し。

明日は朝のうちに芝居の稽古をして、昼過ぎからははるおさんに変身。
新曲聞きに来てくださいな。

稽古初日 [芝居]

6月中旬にやります芝居の稽古がとうとう始まりましたよ。
4-5月中は、その音楽作りをがんばってたわけだけど、そちらもなんとかあげて。
なかなかバラエティに富んだいい音楽が出来ましたよ。歌は難しいけど。(自分で歌わないからって)。
音楽も揃ったところで、いざ稽古に突入。

ほんの3日前まで月の芝居で全然違う役をやってたわっきー氏と、公演全般にかけてのことで頭がいっぱいになってる上に難しい曲を渡されててんやわんやの主催すずね氏と、久しぶりの役者業で若干心配気味なまさぼう氏。

今回のは芝居と言っても「朗読×音楽」というもの。あえて「朗読劇」とも書いてないんだけど、言ってみれば、実際に動いたりはしないけど、芝居です。
昨日いろいろとやってみて、想像以上に「芝居モード」に入っちゃっていいのね、という具合で。

ま、実際にやってみて。
ちょっと音楽と芝居が書き合っちゃうところがあったりとか、自分の芝居の悪い癖がいろいろ出て来ちゃってるぞ、とか。声のボリュームに合わせてピアノを弾くと相当小さくなっちゃうのでどうすんべか、とか。そんなところも見えたりして。
でも、楽しいね。芝居楽しいよ。

てなわけで、音楽は作り終えたので、久しぶりにちょっとだけ役者モードにシフトして見ようかな、と。
芝居の中で役者モードからピアニストになるタイミング、ってのも難しいんだけど。それも併せてがんばりますよ。

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6月20日(土)/21日(日)
鈴音工房プロデュース
朗読×音楽 公演
『さかのうえの』
会場:仙川 オープンガーデン「森のテラス」
 20日 13:30〜
 21日 11:00〜/13:30〜
前売り 2000円

脚本・演出:鈴音彩子
出演:脇本貴人/中田征毅/鈴音彩子
音楽・ピアノ演奏:中田征毅

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ご予約おまちしてます。

読み合わせる [芝居]

今日は朝から芝居モード。
今年6月に予定されてる鈴音工房の朗読劇の、顔合わせと初めての読み合わせ。
読み合わせなんて、いつ以来だろう。最後の公演の時だから5年は前だよな。
久しぶりの感覚に、特に緊張はしなかったけど、ものすごく新鮮な感じで。楽しいね。
ところどころ、ピアノの生演奏(というか、生効果音/生BGM)が入るんだけど、その部分はまだ特に作ってないので、読み合わせながら即興演奏。そのイメージから後々作り直すつもりで。

まあ、初めての読み合わせと言っても、実際に稽古にとりかかるのは5月なわけで。もうちょっと先の話。今回は、方向性にズレが生じてないか、脚本の調整のための目安を探るなどの意味を込めてね。
最終的にどんなかたちになるか、楽しみだな。

で、夜はともだちの鍵盤弾き・ビール大使さん宅で水炊き。
もともとビールさんとベーシスト・あくまさんで遊ぶつもりだったものにぼくが加わることになって。
さらに、そこに歌い手・ひぃとみちゃんとギタリスト堀田さんも加わることになったのね。不思議な会合。

ぼくがいちばん最初に到着して、しばしビールさんと坂本龍一について語る。話が転がって小林武史の話から大貫妙子、桑田佳祐、ユーミンなど、その辺のエリアの深い話をあれやこれやと。深い話に深い話で応えられる2人なので、もう楽しくてね。
しばらくしてからあくまさん到着。水炊き開始。で、食べながら話はさらにエリアを拡げてSOUL系やらROCKの深いところへ。泉谷しげるとかルースターズとか、って話になると、ぼくは世代的にわからないエリアで、でも話聞いてるだけで結構おもしろい。
水炊きももう無くなりかけた頃にひぃとみちゃんと、ビールさんの天敵=堀田さん到着。
話は一気に堀田さんが持って行って、そのまま帰ってこない状態に。
これ、すごいことに23時過ぎにお開きになるまで堀田さんトーク止まらず。
しょーもない話からかなりまじめな話まであるもんだからいいんだけど、あくまさん曰く「あいづちうつ隙もない」って。それでも、ほんとに結構まじめな音楽の話もしたりしてるんでね。
楽器持たずにこういう話が出来るってのもいいね、ということで、「また近いうちに」とお約束。

次回は、ビールさんの部屋のCD棚をもっと詳しくあさってみよう。
ぼくの棚と、かなりの近似値を取ってるわけだけど。

「リア玉」待たず [芝居]

今年の3月で閉館する劇場、THEATER TOPS。
大学時代から、そりゃあ何度も見に行ったり、自分たちの公演のチラシをおかせてもらったり、そんな劇場が無くなるわけで。思えば朝早くから当日券待ちの列に並んで、あの階段で延々時間つぶりたりしたなあ、とか思い出すわけで。

そんな劇場の閉館前の最後の演目が、なんと。ナント!!!!!!
「東京サンシャインボーイズ」と来た!!!!!

ありえん。不意打ち喰らったよ。
現在30年間の充電中のサンシャインボーイズ。
次回公演の予定は2024年の「リア玉」と告知がされてはいたが。
その公演予定の劇場が無くなってしまう、ということで、15年で一時復活。

3月18日から29日までの全12回公演。
キャパは150席。

うーん。
チケットって取れるものなのか。これ。
神様が降りてこない限りチケットが取れない気がする。

が、何としてでもこれは見なくては行けない、と思う。


案外、「チケットがプラチナ過ぎたので、別の会場でも公演」とかになりそうな気配がないわけでもないけど、せっかくならTOPSで見たい。

いや、そんな追加公演的なことはしないか。三谷さんは。

チケット取れますように(泣)

人のふり見て我がふり再確認 [芝居]

11日の土曜日には、オンリーワン・シアターの初期に2度ほど役者で参加してくれた清藤くんの芝居を見に行った。
彼はもともと、ぼくと劇研で同期だった船戸くんが別に参加していた英語劇サークルの後輩でね。日本語の芝居としては、オンリーワン・シアターの旗揚げ公演が初めての舞台だったんだよね。その後、3回目の公演にも役者として出た後、いくつかほかの劇団に客演したりしてたんだけど、ここ10年くらいは芝居から遠ざかってたみたい。
今回、その英語劇サークルの後輩たちとあらためて芝居をやってみよう、という話になって持ち上がった企画だとのこと。
そして彼自身、初めて「脚本」を書いたと。

この半年の間にたびたび電話で長話もしたんだけどね。
「とりあえず、ぼくがやりたかったのはこういう芝居なんだ、というのを作ってみました」と。そして、それは多分ぼくの作りたい芝居とは全然違う色のものです、と前置きを入れてくれた。別にそんなことわざわざ言わなくともそういう風に見るわけだけど。律儀な彼の性格が出るエピソードね。

で、芝居。

いろーんな意味で「なるほどねぇ」というのが感想。
彼が作りたかった話、彼が作りたかった空気、彼自身の役者としての立ち位置、役者っぷり。
当然、それはぼくの作りたかった、そして作って来たその手触りとは全く違うもの。それが、彼の味。
その芝居を見ながら、あらためてぼく自身が好きな芝居のタイプ、作りたかった芝居の雰囲気、というようなものを再認識させられたかな。
おもしろい話だったよ。一緒に見に行ったオンリーワンのスタッフの子が「いやあ、おもしろかったねえ」って、しきりに言ってたよ。

ただ、あれだね。
英語劇をやって来た人たちってなんというか、ある種独特の空気感があるんだよね。というかそれは「台詞」に起因するんだけど。英語劇ってのは、やっぱりまずとにかく台詞を覚えてなんぼ、というところがあると思うんだよね。相当なネイティブじゃない限り、雰囲気で台詞をつなげられる技量ってそうそうないだろうから。
で、そんな中での芝居作りが体にしみ込んでると、たとえそれが日本語になったところで「芝居の作り方」自体が大きく変わることもないのかな、と。
何を言いたいかというと、「台詞」が「台詞」として存在してる、それが目についちゃうところが多々あるな、というね。
ぼく自身が、そういうところから極力離れて行こうとする芝居の作り方をしてたもんだからさ。
その辺はもう、好き嫌いの範疇かもしれないんだけどね。

そんなこんなで、やっぱりたまには芝居したいなあ、とまたまた思わされてしまったな。

キル [芝居]

昨日、当日券で見てまいりました。NODA・MAPの「キル」。
これは、今まで2回上演されてて、そのどちらも見てるのね。
好きな芝居のひとつなんだけど、今回大きく違うのは主人公の配役。過去2回は堤真一だったのね。
(ちなみに、初演の相手役は羽野晶紀、再演では深津絵里)。今回は舞台初参戦の妻夫木聡。
相手役に広末涼子。はたしてどうなる!?
てなわけで、気になりつつ、でもどうしようかな、という思いもあり、という中でね。
それでもやっぱり見に行こうと思ったのは、
「NODA・MAPは今まで見逃してない」という意地みたいなものもあったからかな。
前売りが売り切れてるのは充分わかってたし、千秋楽も近いのでキャンセルも少ないだろうと見越した上で、覚悟の立ち見。

基本的な舞台の装置とか、演出も著しく変わったところがない分、
やっぱり今までの役者さんの影が見えちゃうのが自分で「いけないなあ」と思ってしまうところ。
あんまりこういう舞台で、役者さん同士を比べちゃうってのはしたくないんだけどね。
(だって、逆の立場を考えたら失礼な話でしょ?)。
妻夫木くんのテムジンも広末涼子のシルクもよかったよ。
ただ、シルクの基本部分を羽野晶紀なぞっちゃった感じがして。
それは演出指示だったのかもしれないけど、どうもそれが見え隠れしちゃって残念。
よかったんだけど。
「結髪」って役は今までやってる人がとにかく個性の強い人ばっかりだからねえ。
ある意味「やりたい放題やってこそOK」な役で、そう言う役者さんばっかりがそこにあたってるわけで。
初演の渡辺いっけい、再演の古田新太しかり。
今回の勝村政信もやりたい放題だったねえ。あのくらいの人じゃないと、あの役はおさまらないんだろうなあ。
唯一、ちょっと弱いなあ、と思ったのが父親役の小林勝也。
もともとこの人は主人公のまわりでちょこちょことちゃちゃ入れたりする役が得意な感じなので、
今回のように威厳のある、どっしりとした部分の役はちょっと弱いよね。

なんてことを思いながらも、最後で壮大なオーケストラにスローモーションで圧倒されて、
わけもなく泣きそうになって「ずるいなあ」と思いながら感動しちゃう、
という野田秀樹演出にやられてしまったのでありました。

芝居やりたいなあ。