SSブログ

どんだけEPICよ。 [音楽]

この前、1つ前の「月刊 直江実樹」の撮影をした後に3人でお茶しながらいろいろと音楽話をしてたら、3人の共通のキーワードに「EPIC/SONY」が浮かび上がって来てね。直江さんが、当時友達数人と部屋で岡村ちゃんの「DATE」をかけて、最初の「ジャジャジャジャッ ジャジャジャジャッ 」の後でそこにいた全員がこぞって「っあー」って声出した、とかそんな話を。そこから派生して「eZ」の話になったり。

だいたいぼくぐらいの世代の音楽好きにおいては、中高生時代に「EPICの波」を受けて育ってる人が多いのね。
その当時、SONY系のレーベルはどこも元気で非常に質が良い、という安心感があったんだけど、中でも「EPIC」と言うレーベルは全面的にセンスが良くて勢いがあって、結構革新的なこともいろいろとやってたわけで。
その「センスの良さ」というのは、おそらく当時の映像プロデューサーだった坂西伊作氏の録る映像に依るところが大きいと思うわけで。

当時、EPICは月1で「eZ」という番組を製作しててね。
だいたい月末の夜中にやるんだけど、特に曜日や時間が決まってたわけじゃなくて。毎度音楽雑誌の情報をくまなくチェックして、見逃さないように必死だった。見逃した月は本気で落ち込むくらい、この番組は逃してはならない番組だった。ぼくにとって。
この番組は完全に坂西伊作の映像世界で、PVだったり、PV風の映像だったり、オフショット風の映像だったり、をつないで30分。特に語りなどがあるわけではなく、ただただ音楽のための映像が流れる、という番組。
数年前、EPICのレーベル設立25周年の一環として、Viewsic(今のMUSIC ON TVね)で「eZ」から何本かを抜粋して放送したことがあったんだけど、その時は確実に全部を録画しておいた。昔のビデオもかなり痛んで来てたし、モノラルのビデオデッキの時代のものもあったし、間違って消してしまった会なんかもあったしね。この時の再放送は飛び上がるほど嬉しかった。eZで放送されただけで商品化されたない映像って結構あったからね。
ほんとに、ビビッドな色使いといい、固定カメラで編集無しという手法だったり、ストップモーションを取り込んだ疑似絵画風のものだったり、坂西伊作の映像がとにかく好きだった。自分がもしミュージシャンになったら絶対この人に映像撮ってもらうんだ、って決めてたくらい。(残念ながら、数年前にお隠れになってしまったらしい。)

このeZのオープニングやエンディングの映像は、覚えてる人には忘れられない映像で、なんというか針金人形風なものが動いてるもので。そのバックに流れてる音楽も不思議なもので、ぼくはこの前スマートフォンに変えてからも変わらず、このeZのオープニングの音楽を着信音として取り込んでるくらいなもので。

で、実はEPICが画期的だったのは映像だけじゃなくて。
今みたいに「ネット」というものが存在しなかった時代、情報はもっぱら雑誌だったりラジオだったりするわけで。
そんな中、週刊のレーベル新聞を作ってCD屋で配布してたんだよね。「週刊 WOM」ってやつを。
A3を2つ折りにしたサイズだったかな。(いや、探し出せばしっかり残してあるんだけど)。
レーベルに所属するミュージシャンをくまなくプッシュして行く、という方法は、考えてみるとほかではあまりなかったかもしれないし、今でもそういうやり方をしてるところってあんまりないと思う。
とにかく、リリースするものがある時はそのミュージシャンを大フィーチャーして紙面を作り、そうでない人でも「ただいまレコーディング中!」とか「ツアー中!」みたいな情報なんかも細かく載せてたりして。これ、毎週渋谷のCD屋までとりに行ってたなあ。

さらに、2ヶ月に1回くらい「月刊 WOM」というCD版が配布されてね。実際に音を聞けるのでこれはホントにありがたかった。今は視聴なんてネット上でいくらでもできるけど、この時代にはそんな便利なものはないわけでさ。いわゆる「フリーサンプラー」と呼ばれたこういう8cmCDは、いろんな音楽を聞きかじりたいぼくみたいのにはほんとに重宝したんだよね。これをレーベルとして出してたのはEPICの「月刊 WOM」くらいだったと思う。
ちなみに、ちょっと前にこれを全部引っ張り出して一気に聞いてみた。
DSC_0009.JPG
当時から、EPICの「Chara」「詩人の血」をプッシュする力が相当のものだったのは感じていたけど、あらためて聞いてみてこの2つはやっぱり他と力の掛け方が違うなあ、と思った。同時にeZでのこの2組の扱い方は相当だったよね。特にデビューの時のCharaの押し方はすごかった。
しかし、「月刊 WOM」を聞いて何より感じたのは、それら誰よりも「鈴木祥子」のプッシュの力が半端なかったこと。ちょっとびっくりした。

今あらためて考えてみると、今の時代こうして「レーベル」として全体の底上げを大きく図ってるところってないよなあ、ってね。一時期ワーナーが「北青山的」とかってがんばってた時期があったけど、あれでも、この時期のEPICみたいないろんなメディアを使っての戦略ってところまで取ってなかったしね。

そんなわけで、あれはきっとレーベルが非常に健康的であった頃の、今となっては少々幻影的なものなのかもしれない、とちょっと思った。
いまだに「EPIC的なもの」には非常に心が動く。
nice!(0)  コメント(2)  トラックバック(0) 

nice! 0

コメント 2

Neon

eZ EPICなるバンドを結成して、その頃の曲をリアレンジして
演奏しちゃってください。岡村曲はギターで参戦可能。
by Neon (2011-09-16 12:08) 

まさぼう

>Neonくん
そう言う方法があったか。
シンセが大変そうだなあ。この時代の音は。重ねて重ねてしてるもんね。
でも楽しそうだなあ、それも。
by まさぼう (2011-09-25 03:43) 

コメントを書く

お名前:
URL:
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。

トラックバック 0